
犬が嘔吐すると「何かの病気じゃないのか?」と心配になります。
嘔吐に関連する病気は多く、病気でもないのに吐く時があるので飼い主さんにとっては困惑する症状です。
固形物が混ざっている嘔吐なら強力わかもとを与える
ゴハンを与えて数時間経ったあとに嘔吐したとき、フードが消化しきれていなくて形が残っているときがあります。
これは消化不良で胃の中に長時間食べたものが停留して気分が悪くなった「吐き戻し」です。
吐き戻したいのに吐けない時、犬は草を食べて胃に刺激を与えて吐き戻す行動をします。
散歩中に愛犬が草を食べようとしてたら、消化不良を起こしていることが考えられます。
スギナのような草は毒ではないので食べさせても大丈夫です。
毒性のある草や花もあるので、むやみに食べさせないように注意しましょう。
また、農薬が散布してある草は命に関わる危険があります。
消化不良の場合でしたら強力わかもとで落ち着くことがあります。
犬が嘔吐したり吐き戻したりする原因は多岐にわたるので、まずは病院で診てもらうことをお薦めします。
下痢や胃腸炎の犬に強力わかもとは効果なし
下痢や胃腸炎など、消化不良以外で嘔吐している犬に強力わかもとを与えても何の効果もないのですぐに病院で診てもらいましょう。
犬の様子が明らかにおかしくて変だなと思える感覚は飼い主さんだからこそわかる事です。
強力わかもとは病気を治す薬ではなく、消化を助ける成分を補う指定医薬部外品です。
服用したからといって下痢や胃腸炎が治ることはありません。
消化不良で一時的に胃腸の調子が落ちているとき、その消化を助ける役割にとどまります。
犬に与える強力わかもとの量の目安
動物病院の獣医師さんに成分表をみてもらったところ、害になるものもなく実際に犬に与えている飼い主さんも多いとのことでした。
- 小型犬:1錠
- 中型犬:1〜2錠
- 大型犬:2錠
強力わかもとは犬用の消化酵素よりも価格が安く、1,000錠入っているので1瓶買うと1年は使えます。
ただし価格の安さと、犬に与えることの妥当性は別の話です。
強力わかもとに何が入っているのか
わかもと製薬が公開している説明文書には、成人1日量である27錠あたりの分量が記載されています。
| 成分 | 27錠中の分量 | 何をするものか(公式の説明) |
|---|---|---|
| アスペルギルス・オリゼーNK菌 培養末 | 3,375.0mg | 生み出されたアミラーゼ、プロテアーゼといった消化酵素が消化を助ける |
| 乳酸菌 培養末 | 675.0mg | 腸内の有害菌を抑えて、おなかの調子を整える |
| 乾燥酵母(ビール酵母) | 2,490.1mg | 体に必要な栄養素をバランスよく補う |
| チアミン硝化物(ビタミンB1) | 3.4mg | 同上 |
| リボフラビン(ビタミンB2) | 2.0mg | 同上 |
| ニコチン酸アミド | 2.0mg | 同上 |
飼い主として最も気になる添加物ですが、記載されているのは沈降炭酸カルシウムのみです。犬に有害なものは入っていません。
人間用の錠剤やタブレットには、甘味料としてキシリトールが使われているものがあります。犬がキシリトールを摂ると強くインスリンが放出され、低血糖や肝障害を起こします。埼玉県獣医師会は、体重10キロの犬が1グラム摂っただけでも治療が必要になりうるとしています。強力わかもとの添加物にキシリトールは含まれていません。ただし他の人間用整腸剤に同じことは言えません。製品ごとに添加物の表示を必ず確認してください。
強力わかもとの分類は指定医薬部外品です。人間に対する効能・効果として「消化不良」「整腸(便通を整える)」「軟便」などが認められています。ただしこれは人間についての話であり、犬に対する効能が認められているわけではありません。
わかもと製薬は犬への使用について何も言っていない
わかもと製薬の公式サイトと説明文書に、強力わかもとの犬やペットへの使用について述べた記載はありません。推奨も否定もしていません。
一方で、同社は犬猫向けの製品を別ブランドで出しています。ペット用のオーラルケア製品などを扱う「ペッツパル」です。つまり、メーカーとしてペット向けの商品は用意しているものの、強力わかもとをそこに含めてはいません。
つまり、メーカーが想定していない使い方をしているということです。
犬用の整腸剤とは何が違うのか
犬用として、動物用医薬品に分類される整腸剤が実在します。代表的なものが共立製薬のビオイムバスター錠です。
| 強力わかもと | ビオイムバスター錠 | |
|---|---|---|
| 分類 | 指定医薬部外品(人間用) | 動物用医薬品 |
| 主な成分 | NK菌培養末、乳酸菌培養末、乾燥酵母、ビタミンB群 | 有胞子性乳酸菌30mg、パンクレアチン60mg(1錠200mg中) |
| 犬への用量 | メーカーの定めなし | 5kg未満1錠/5〜20kg 2錠/20kg以上3錠を1日2回 |
| 割線 | 記載なし | 4分の1錠に割れる割線あり |
| 注意点 | 小麦を含む | 豚由来のパンクレアチン、魚由来ペプチドを使用のためアレルギーに注意 |
違いは分類です。ビオイムバスターは犬に使うことを前提に、体重ごとの用量が定められています。強力わかもとにはそれがありません。人間の年齢別の用量しか公表されていないためです。
価格では強力わかもとが有利です。ただし体重あたりどれだけ与えるかがメーカーによって定められていないという点は、安さと引き換えに受け入れているリスクだと理解しておいてください。
整腸剤に期待できることの限界
乳酸菌などのプロバイオティクスが犬の下痢に効くのかについて、獣医学の側からはっきりした答えは出ていません。
獣医内科学の学術誌に掲載されたシステマティックレビューは、犬猫の急性の消化器疾患に対するプロバイオティクスについて、効果は非常に限定的で臨床的に重要でない可能性があり、有効性を判定できるほどエビデンスは頑健ではないと結論しています。研究の規模が小さく、バイアスのリスクも中程度から高いとされています。
さらに別の研究では、この分野に出版バイアスがあることも指摘されています。効果が出た研究のほうが発表されやすいため、未発表の研究まで含めれば結論が変わりうる、ということです。
獣医師が指摘しているのは、成分の危険性よりも受診が遅れることです。下痢や嘔吐の裏には、ウイルス感染、寄生虫、異物の誤飲、膵炎、腫瘍などが隠れていることがあります。特に子犬のパルボウイルス感染症は命に関わります。整腸剤を飲ませて改善しないなら、それ以上待たずに病院へ行ってください。
人間用の薬について、はっきり反対している動物病院もあります。「市販の下痢止めや吐き気止めを独断で使用するのは危険です。また、人間用の薬は犬にとって有害なため、絶対に与えないでください」と明記している病院もあります。獣医師のあいだでも見解は一致していません。
だからこそ、与える前にかかりつけの獣医師に成分表を見せて相談するという手順が要ります。これが、獣医師の見解に共通する唯一のラインです。
この症状が出たら整腸剤ではなく病院へ
動物病院が公開している、すぐに受診すべきサインです。当てはまるものがあれば、整腸剤を飲ませて様子を見る段階ではありません。
| 症状 | 疑われること |
|---|---|
| 吐いたものや便に、赤い血や黒いタール状のものが混じる | 消化管からの出血 |
| 立ち上がれない、目がどんよりしている | ショックや内臓の異常 |
| 呼びかけても反応しない、目の焦点が合わない | 意識障害 |
| 皮膚をつまんでもすぐ戻らない | 脱水 |
| 1日に何度も嘔吐や下痢を繰り返す | 感染症、誤飲など |
| 口を大きく開けた荒い呼吸をしている | 呼吸困難 |
| 嘔吐と下痢が同時に起きている | 緊急性が高い状態 |
| 子犬である | パルボウイルス感染症の可能性 |
吐いたときに記録しておくこと
吐きだしたものをまた食べようとすれば特に病気でもなく犬が元気なら大丈夫です。
病気やウイルス感染が原因による嘔吐は整腸剤では改善しません。
吐いた時は日付と時間、与えたゴハン、吐く前に何か異常行動がなかったかなどをメモしておくと病院で診てもらう時に吐く原因が何なのか見つけやすくなります。
吐いたり下したりが続くと、検査だけでも費用がかさみます。医療費の備えは、別の記事にまとめています。
人間用のものを犬に使うという点では、リンゴ酢にも同じような使い方があります。薄め方と注意点は、別の記事にまとめています。


