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犬の僧帽弁閉鎖不全症などの心臓疾患におすすめのドッグフードとは

この記事でお伝えする内容
  • 心臓へ負担を与えないフードの選び方
  • 心臓疾患におすすめのドッグフード
  • 信頼できる獣医師の意見を最優先にする
目次

犬の心臓へ負担を与えないフードを選ぶ

犬の僧帽弁閉鎖不全症やその他の心臓疾患に適したドッグフードを選ぶ際には、心臓への負担を軽減し、症状の進行を遅らせるために栄養バランスに注意を払う必要があります。以下に、どのような栄養素や成分が重要かを詳しく説明します。

ナトリウム含有量が低いフードを選ぶ

ナトリウムが多いと体内に水分が長く留まり、結果として血圧が上昇し、心臓への負担が大きくなります。ドッグフードを選ぶ時は、低ナトリウムフードが推奨されます。ただし、ナトリウムを極端に制限しすぎると、電解質バランスが崩れるため、獣医師の指導のもと適切な塩分量を確認する必要があります。

オメガ-3脂肪酸を含むフードを選ぶ

EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などのオメガ-3脂肪酸は、炎症を抑制し、症状の進行を遅らせる効果があります。

これらの脂肪酸は、心筋の機能改善や不整脈の予防、心不全の進行抑制に寄与するとされています。オメガ-3はサーモンオイルや亜麻仁油などに多く含まれています。

タウリンとL-カルニチンが添加されたフードを選ぶ

タウリンは心臓を構成する筋肉(心筋)の収縮を正常にます。タウリンが不足すると心臓の機能が低下し、心疾患のリスクが高くなります。

L-カルニチンは、体内の脂肪をエネルギーに変える役割を持ち、そのエネルギーが心臓の筋肉を動かすために使われます。これにより心臓のポンプ機能が安定し、過度な負担を軽減します。

これらの成分を含むフードを与えることで、症状の進行を遅らせる効果が期待できます。

抗酸化物質が強化されたフードを選ぶ

心臓病の進行を遅らせるためには、ビタミンEビタミンCなどの抗酸化物質が有効です。これらはフリーラジカルによる細胞の酸化ダメージを抑制し、心臓を構成する筋肉を丈夫にします。

活性酸素・フリーラジカルとは?(医療法人クレモナ会ティーエムクリニック )

また、セレンコエンザイムQ10も抗酸化作用を持つ重要な成分です。

カロリーが控えめのフードを選ぶ

体重が増えると、心臓は全身に血液を送るためにより強い力で働く必要があり、これが心臓への負担を大きくします。その結果、呼吸困難や運動不耐性(運動を嫌がる、すぐに疲れる)といった症状が悪化します。

太り過ぎの犬の場合、低カロリーかつ栄養バランスの取れたフードを選び、適正体重を維持することが重要です。急激なダイエットは逆に体への負担を増やすことがあるため、獣医師と相談しながら、徐々に適正体重に近づけることが理想的です。

愛犬の肥満チェック-適正体重、健康的な体型の見つけ方(ロイヤルカナン)

心臓疾患向けの食材が使用されているフード

ドッグフードの原材料の質と種類は非常に重要です。心臓疾患を持つ犬は、単に栄養素のバランスだけでなく、どのような食材からそれらの栄養素が供給されるのかが健康維持に大きく影響します。

ここでは、心臓疾患の犬にとって有益な食材と、避けるべき食材について詳しく説明します。

心臓疾患に良いとされる食材

高品質な動物性タンパク質

鶏肉(皮なし)、七面鳥、魚(特にサーモンやイワシ)、卵などが理想的です。これらは消化が良く、必須アミノ酸が豊富に含まれています。

魚類(イワシやサンマ)はオメガ-3脂肪酸(EPA、DHA)が豊富で、炎症を抑え心筋を丈夫にします。

オメガ-3脂肪酸を含む食材

サーモンオイル、イワシ油、亜麻仁(フラックスシード)、チアシードなどは心臓の健康に良いとされています。これらは血液の流れを良くし、心臓への負担を軽減します。

抗酸化物質が豊富な食材

ブルーベリークランベリーほうれん草ケールニンジンなどのカラフルな野菜や果物は、ビタミンCやE、βカロテンなどの抗酸化物質が豊富です。これらは心臓の細胞を酸化ストレスから保護します。

タウリンやL-カルニチンを含む食材

赤身の肉(牛肉やラム肉)、鶏の心臓や肝臓などの内臓肉は、タウリンやL-カルニチンが豊富です。これらは心筋の機能維持に重要です。

カリウムとマグネシウムが豊富な食材

バナナ、サツマイモ、カボチャ、ほうれん草などはカリウムが豊富で、心拍を正常に保つのに役立ちます。

玄米やオートミールに含まれるマグネシウムは、心臓の収縮・弛緩ために必要な栄養素です。不足すると心拍が乱れることがあります。

繊維質が豊富な食材

さつまいも、カボチャ、エンドウ豆に含まれる可溶性繊維は、消化を助けるだけでなく、血糖値やコレステロール値を安定させ、結果として心臓への負担を減らします。

避けるべき食材

高ナトリウム(塩分)の含まれる犬用おやつや食材

市販のジャーキー、ソーセージ風のおやつには塩分が多く含まれていることがあり、心臓に負担をかけます。

チーズや塩気の強い調味料を使った人間用の食べ物(特にベーコンや塩漬けの魚)は与えないようにしましょう。

脂肪分を多く含む食材

脂身の多い肉はコレステロールや中性脂肪を増加させ、心臓への負担を増やす可能性があります。犬用のおやつでも、ジャーキーや豚耳などの脂肪分が多いものは避けましょう。

糖質が多いおやつ

クッキーやビスケットなどの犬用おやつには糖質が多く含まれていることがあります。また、白米やパンをに与えると血糖値の急上昇を招き、心臓への負担が増える原因になります。

心臓疾患におすすめのドッグフード

ロイヤルカナン 心臓サポート

ロイヤルカナンは、犬種や症状ごとに細かく製品が分かれているのが特徴です。心臓疾患専用の「心臓サポート」も、ドライフードウェットフードの両方が用意されており、犬の好みや食事制限に応じて選びやすいです。

心臓の健康維持をサポートする栄養設計

ロイヤルカナン 心臓サポートは、心臓疾患を抱える犬のために特別に開発された療法食です。心臓の負担を軽減し、健康な状態を維持するために以下の栄養素がバランス良く配合されています。

  • 低ナトリウム
  • 豊富なEPA/DHA
  • 消化性の高いタンパク質
  • タウリン、L-カルニチン含有
症状に合った製品ラインナップ

ロイヤルカナン 心臓サポートには、犬の状態に合わせて選べるように、複数の製品ラインナップがあります。

  • 療法食 心臓サポート
    • 高品質なタンパク質を使用し、筋肉の健康を維持しながら、心臓の機能をサポート。
  • 早期心臓サポート+関節サポート
    • 心臓病と関節炎を併発している犬のために、心臓サポートの成分に加え、関節の健康をサポートする成分を配合した療法食です。
動物病院で相談して購入する

心臓サポートは、獣医師の診断と指示に基づいて与える必要があります。自己判断で与えると、症状が悪化する可能性があります。必ず獣医師に相談し、適切な製品を選んでもらい、指示に従って与えましょう。

心臓病に良いとされる食材と成分

ロイヤルカナンの心臓サポートに含まれる心臓病に良い食材や成分は、以下(赤文字)の通りです。

原材料

米、肉類( 鶏、七面鳥)、コーンフラワー、動物性油脂、コーングルテン、卵パウダー、加水分解タンパク( 鶏、七面鳥)、ビートパルプ、魚油(オメガ3系不飽和脂肪酸〔EPA+DHA〕源)、植物性繊維、大豆油、酵母および酵母エキス、緑茶抽出物(ポリフェノール源)、フラクトオリゴ糖マリーゴールドエキス(ルテイン源)、アミノ酸類(タウリン、L-リジン、L-カルニチン)、ミネラル類(K、Ca、Cl、Mg、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se)、ビタミン類(A、D3、コリン、EC、パントテン酸カルシウム、ナイアシン、B6、B1、B2、ビオチン、葉酸、B12)、保存料(ソルビン酸カリウム)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリーエキス)

ロイヤルカナンは療法食の中では比較的価格が安定しており、継続しやすいという点も魅力です。コストパフォーマンスを重視する飼い主さんに人気があります。

和漢みらいのドッグフード 特別療法食SI(心臓用)

【和漢・みらいのドッグフード】

和漢みらいのドッグフードは、漢方の考え方を取り入れた療法食タイプのドッグフードです。一般的なドッグフードと比べて、自然派志向や体質改善を目的とした点が特徴です。

心臓の健康をサポートする和漢の力

和漢みらいのドッグフード 特別療法食SI(心臓用)は、心臓疾患を抱える犬のために、和漢の力と最新の栄養学に基づいて開発された療法食です。

  • 低ナトリウムで心臓への負担を軽減。
  • 低脂肪・高タンパクの鹿肉ベースで心臓に負担をかけにくい。
  • 霊芝、アガリクス、紅豆杉など、心臓の健康に寄与する和漢植物を配合。
  • 心臓の機能をサポートする栄養素であるタウリンとL-カルニチンを配合。
国産・無添加へのこだわり

和漢みらいのドッグフードは、愛犬の健康を第一に考え、以下の点にこだわっています。

  • 合成保存料、着色料、香料などの添加物は一切使用していません。
  • 人間が食べられるレベルの食材を使用し、品質にこだわっています。
  • 原材料はすべて国産のものを使用し、安心・安全な品質を追求しています。
心臓病の症状緩和とQOL向上をサポート

和漢みらいのドッグフード 特別療法食SI(心臓用)は、心臓病の症状緩和とQOL(生活の質)向上を目指して開発されました。

症状の緩和

低ナトリウム、タウリン、L-カルニチンなどの配合により、心臓病の症状である咳、呼吸困難、浮腫などを緩和する効果が期待できます。

QOLの向上

愛犬が快適に生活できるよう、食いつきが良く、消化しやすい設計になっています。

心臓病に良いとされる食材と成分

和漢みらいのドッグフードに含まれる心臓病に良い食材や成分は、以下(赤文字)の通りです。

原材料

生肉(鹿,馬,),大麦,玄米,国産雑節,サツマイモ,菜種油,胡麻,米ぬか,和漢植物【ユーグレナ(ミドリムシ),オルニチン,セルロース,イヌリン,白豆杉,フランス海岸松,紫イペ,スリッパリーエルム,ネムノキ,菩提樹,サンザシ,朝鮮人参,田七人参,紅花,冬虫夏草,クコの実(ゴジベリー),サンシシ,大棗(ナツメ),ウコギ葉,DHA,亜麻仁,アンゼリカ,霊芝,アガリクス,チャーガ(シベリア霊芝),ハナビラタケ,ギムネマ葉,ノコギリヤシ,プロポリス,クランベリー,ガラナ,キャッツクロー,生姜,八角,モリンガ,ハス胚芽,オトギリソウ,シロキクラゲ,マイタケ,タモギタケ,メシマコブ,山伏茸,アスタキサンチン,ノニ果実,クマザサ,クロガリンダ,菊芋,ケロッコパウダー,ドクダミ,カミツレ,ゴカヒ,ギョクチク,陳皮,大麦若葉,ハトムギ,延命草,吉野葛,ガジュツ,サラシア,ツリガネニンジン,MSM,ケイヒ,ウコン,菊花,当帰の葉,ウラジロガシ,グアバ葉,スピルリナ,甘茶,ザクロ,コーンシルク,バイキセイ,カノコソウ,麻(ヘンプ),黒豆,板藍根,桑の葉,山芋,ローヤルゼリー,甜茶,アロエベラ,緑イ貝,ブルーベリー,コラーゲン】,海藻(フコイダン),サチャインチオイル,トルラ酵母,乳酸菌,オリゴ糖/卵殻カルシウム,ビタミン類(B群,A,E,K,コリン),グルコサミン,アルギニン,ロイシン,イソロイシン,バリン,リジン,メチオニン,タウリン,ミネラル類(亜鉛,銅)

和漢みらいのドッグフード 特別療法食SI(心臓用)は、心臓疾患を抱える犬の健康維持をサポートするために開発された療法食です。購入前に獣医師と相談し、適切な食事管理を行いましょう。

心臓病と健康寿命を考えた

\『食べる歯みがきパウダー』付き/

和漢みらいのドッグフードについては以下の記事でも詳しく解説しています。

サイエンス・ダイエット〈プロ〉 犬用 腎臓・心臓サポート機能

ヒルズは長年の臨床研究に基づいて療法食を開発しており、獣医師の間での信頼度が高いブランドです。心疾患の進行を抑えるために設計されたフードで、心臓疾患治療のスタンダードな選択肢とされています。

腎臓と心臓の健康を同時にサポート

サイエンス・ダイエット〈プロ〉 犬用 腎臓・心臓サポート機能は、加齢とともに機能が低下しやすい腎臓と心臓の健康を維持するために、独自の栄養バランスで設計されたドッグフードです。

  • ナトリウムの含有量を低く調整
  • リンの含有量を低く調整して腎臓に負担をかけない
  • 腎臓に負担をかけにくい、高品質なタンパク質を使用
  • 心臓の機能をサポートするタウリンとL-カルニチンを配合
ライフステージに合わせた栄養設計

ヒルズ サイエンス・ダイエット〈プロ〉は、犬のライフステージに合わせて必要な栄養素をバランス良く配合しています。

腎臓・心臓サポート機能は、7歳以上の高齢犬を対象としており、加齢とともに変化する体の機能をサポートする栄養設計となっています。

多くの獣医師が推奨

ヒルズ サイエンス・ダイエット〈プロ〉は、多くの獣医師に推奨されています。科学的な裏付けに基づいた製品開発を行っており、品質の高さと安全性が評価されています。

心臓病に良いとされる食材と成分

サイエンス・ダイエット〈プロ〉 に含まれる心臓病に良い食材や成分は、以下(赤文字)の通りです。

原材料

チキン、大麦、トウモロコシ、米、マイロ、小麦、動物性油脂、ビートパルプ、オート麦、チキンエキス、大豆、植物性油脂、ミネラル類(カルシウム、ナトリウム、カリウム、クロライド、銅、鉄、マンガン、セレン、亜鉛、ヨウ素)、乳酸、ポークエキス、亜麻仁、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、Eベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、アミノ酸類(タウリン、メチオニン、リジン)、小麦ブラン、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物緑茶抽出物)、オート麦ファイバー、L-カルニチン、リンゴ、ブロッコリー、ニンジン、クランベリー、エンドウマメ

信頼できる獣医師の意見を最優先にする

ネットの情報には一般的な知識や広告目的の情報も多く、必ずしも愛犬に適した内容とは限りません。そのため、最も信頼できる情報源である獣医師の意見を最優先に取り入れましょう。

病状に合わせた適切な指導を受けられる

獣医師は獣医学の専門知識と豊富な臨床経験を持っています。犬の心臓病の種類や症状、適切な治療法、薬、食事療法などについて、最新の情報に基づいた的確な指導を受けられます。

ネット上の情報は、必ずしも正確であるとは限りません。科学的根拠のない情報も多く存在します。

他の疾患との兼ね合いを考慮してくれる

心臓を患っている場合、腎臓病や肝臓病、糖尿病などの他の病気を併発していることも少なくありません。単に「心臓に良いフード」を選ぶだけでは不十分で、他の疾患にも配慮した食事管理が必要になります。

獣医師は犬の病状を総合的に診断し、より安全で適切なドッグフードを紹介してくれます。

食事の効果を継続的にチェックしてくれる

犬の病状は時間とともに変化するため、一度決めたフードが常に正解とは限りません。獣医師と定期的に相談することで、食事の効果をチェックしながら必要に応じて別のフードに切り替えることができます。

例えば、食事療法を始めた後に体調の変化が見られた場合、血液検査や診察の結果によって、フードの成分や量を調整し、より良い食事管理ができるようにサポートしてくれます。

この記事の重要なポイント

犬の心臓疾患に適したフードの選び方

心臓疾患がある犬には、心臓に負担を与えない特別な栄養バランスが必要です。

  • ナトリウム含有量が低いフードを選ぶ
  • オメガ-3脂肪酸を含むフードを選ぶ
  • タウリンとL-カルニチンが添加されたフードを選ぶ
  • 抗酸化物質が強化されたフードを選ぶ
  • カロリーが控えめのフードを選ぶ
心臓疾患に良い食材と避けるべき食材

心臓疾患の犬には、高品質な動物性タンパク質やオメガ-3脂肪酸を含む魚類(サーモン、イワシ)が効果的です。また、タウリンやL-カルニチンを多く含む赤身肉や内臓肉、抗酸化物質が豊富なブルーベリーやほうれん草もおすすめです。

一方で、高ナトリウム食品や脂肪分が多い肉類、糖質の多いおやつは避けるべきです。これらは心臓に余分な負担をかけ、症状を悪化させる可能性があります。

おすすめのドッグフード

心臓疾患に対応したドッグフードとして、「ロイヤルカナン 心臓サポート」や「和漢みらいのドッグフード 特別療法食SI(心臓用)」、「サイエンス・ダイエット〈プロ〉犬用 腎臓・心臓サポート機能」などが挙げられます。

これらのフードは低ナトリウムで、オメガ-3脂肪酸やタウリン、L-カルニチンが含まれており、心臓の健康維持に役立ちます。獣医師と相談しながら、犬の状態に合ったフードを選ぶことが大切です。

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