
愛犬にもっと健康になってほしい、病気になるのを防ぎたい・・・と思う飼い主さんにお薦めできる食材の一つに「きのこ類」があります。
きのこ類は免疫力を高めたり抗がん作用があるので、犬に積極的に与えたい食材です。
犬の健康促進に効果的なきのこ三種類
きのこにはたくさんの種類があります。
それぞれに特有の成分をもっていたり、多様の特徴があります。
そのなかで犬の身体を病気から守るおすすめのきのこは次の三種類です。
犬におすすめのきのこ
- まいたけ
- しめじ
- しいたけ
ガンの犬にしめじ抽出物を使用した研究
肝臓がん、直腸がん、脳がんの犬三頭にハタケシメジ抽出物を投与し経過を観察した研究があります。
- 肝臓がんの犬:投与開始から1カ月後に死亡
- 直腸がんの犬:9カ月後に死亡
- 脳がんの犬:23カ月経過後も生存
きのこが直接がんに効果があったのかは不明ですが注目したい点もありました。
すべての犬がハタケシメジ抽出物を投与後に、末梢血液中のリンパ球数が増加していました。
リンパ球は白血球の一部でB細胞(Bリンパ球)、T細胞(Tリンパ球)、NK(ナチュラルキラー)細胞などに分類することができます。
NK細胞は細菌やウイルスなどの病原体に感染した細胞を攻撃します。
参考論文:動物臨床医学(腫瘍の犬3症例に対するハタケシメジ抽出物の使用経験)
まいたけ
まいたけはβーグルカンの量がキノコ類のなかでも特に豊富に含まれています。
免疫細胞を強化して、病気やガンから守ってくれます。
他にも、まいたけは漢方薬として血圧や血糖値を下げる効果があります。
犬にとって必要な栄養成分がたっぷり含まれています。
しめじ
しいたけ
犬にきのこを与える時に気を付けたいこと
きのこは生のままで犬に与える事はできません。
きのこには食物繊維が多く含まれているので、一度にたくさんの量を与えると下痢をしたりお腹をこわしてしまいます。
少量でも栄養がしっかり摂れるのでメインにするよりはトッピングとして取りいれるほうが安心です。きのこをあたえるときは、以下の手順にしたがって調理すると良いでしょう。
1きのこを細かくきざむ
犬はきのこなどやわらかいものを嚙み砕くことが苦手です。そのまま飲み込むことが多いので、あまりに大きいと消化不良を起こしたり下痢を起こしたりします。
または排泄のときにそのまま出てきてしまいます。ペースト状にするか、みじん切りぐらいに細かく切りましょう。
2 鍋にきのこを入れてゆでる
ひたひたになるまで、水を注いで火をかけます。きのこに火が通ったら、火を止めて冷まします。
きのこのなかにあるビタミン類は水に溶けやすいので、必要な栄養分がゆで汁に流れています。
ドッグフードにきのこをトッピングするときは、一緒にゆで汁をつかってドッグフードをふやかしてあげましょう。
きのこを食べて健康長寿!犬にきのこを与えるメリット
きのこには犬の健康のためにとりたい成分がたくさんあります。ビタミンB類、ビタミンD、ミネラル、βーグルカンのほか食物繊維が豊富という特徴も持っています。
ビタミンB類で疲労回復・成長促進
きのこには、ビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB1は炭水化物の代謝を助け、エネルギーをつくり出す働きをし「疲労回復のビタミン」と呼ばれています。
ビタミンB2は「発育のビタミン」。とくに、脂質を燃焼させてエネルギー代謝や細胞の新陳代謝を促してくれます。
ビタミンB2をしっかり摂ることで、皮膚病の予防につながったり、粘膜や皮膚をキレイに保つことができます。
ビタミンB9(葉酸)は、神経系や、赤血球をつくりだす成分。神経系の障害や、貧血予防に効果的です。
β-グルカンで免疫力アップ・抗がん作用
β-グルカンは、マクロファージやナチュラルキラー細胞、白血球など、ウィルスや菌を攻撃する細胞たちを活発化させる働きがあります。
ウイルス性の病気のほか、アレルギーへの対抗力も強めてくれます。
がん細胞への攻撃力も高まるので、がんを抑制する効果もあります。
βーグルカンは大麦やパーツ麦などにも含まれていますが、特にきのこには豊富に含まれています。
犬の病気やがんを予防したいなら積極的に摂りたい成分です。
骨や体を丈夫にするビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるので、犬の骨や歯を丈夫にしたり発育を促す働きがあります。
近年では、ビタミンB3が細胞に抗菌物質を分泌することがわかっており、免疫力が高まる効果も期待できます。
生のきのこには「エルゴステロール」という成分が含まれていて、このエルゴステロールが日光に当たることで「ビタミンD」がつくられます。
なので、ビタミンDを摂取するためには生のきのこを日光で干してから愛犬にあたえましょう。
カリウムのデトックス効果
体づくり、健康に欠かせないミネラル類。そのなかで、きのこには「カリウム」が多く含まれています。
カリウムは、体内の余計な水分や塩分、老廃物、毒素を排出する働きがあります。また、筋肉の収縮にも関わっており体の正常な働きを助けてくれます。
きのこは食物繊維が豊富
食物繊維はお通じをよくしたり肥満や高血圧を予防したりとさまざまな働きをする成分です。
飲み込んでもほとんど消化されず腸内に届き、不要な物質や老廃物を外へ排出する働きをもっています。便秘ぎみの犬におすすめです。
また、ほとんど消化されないので満腹感を長い時間得られます。
食べすぎを抑えられるうえ、きのこは低カロリーなのでダイエット食にも最適です。
まとめ
ビタミンやミネラル、βーグルカン、うれしい成分が豊富なきのこ。
とくに、おすすめのきのこは3つ。
・免疫力を高めるβーグルカンが多量の「まいたけ」
・ビタミンB1、GABAも含む「えのきだけ」
・レンチナンなど豊富な栄養分をもつ「しいたけ」
きのこをあたえる時はよく切りきざんで、茹でてから茹で汁と一緒にご飯にトッピングします。
愛犬に強く元気に過ごしてもらうためにあげすぎないこと、生であげないことなどに注意して与えましょう。