愛犬の健康を守るために欠かせないのが、ドッグフードの適切な保存方法です。ドッグフードは開封したら酸化が始まるため劣化が進み、愛犬の健康を損なうリスクが高くなります。
フードを新鮮な状態に保つためには、袋のままにせず密閉できる保存容器に移し替えることが重要です。この記事では、保存容器を選ぶ際のポイントやおすすめ商品、正しい使い方について詳しくご紹介します。
保存容器を選ぶ際のポイント
- しっかりと密閉できる
- 遮光性がある
- 取り扱いのしやすさ
しっかりと密閉できる
ドッグフードは湿気や空気に触れると変質しやすく、開封後に空気にさらされると酸化が進みます。酸化はドッグフードに含まれている脂肪の劣化を引き起こし、味や香りを損なうだけでなく、栄養価を低下させます。
ドッグフードに湿気が加わるとカビが発生しやすくなり、健康に悪影響を与える可能性があります。密閉性の高い容器は、害虫(特に小さな虫やダニ)の侵入を防ぐ役割もあります。
具体的なポイント
- ゴムパッキン付きのフタ
-
ゴムパッキンはフタと容器の間の隙間を完全に密閉し、空気や湿気が入り込むのを防ぎます。長期間使用しても劣化しにくい高品質なゴムパッキンを採用したものがおすすめです。
- クリックロック式の密閉機能
-
フタを確実に固定するクリックロック式は扱いやすく、確実に密閉状態を維持できます。開け閉めが簡単で、毎日使う際に便利です。
- 真空密閉タイプの容器
-
空気を完全に抜いて真空状態を作るタイプの容器は、酸化を最小限に抑えます。電動や手動で真空状態を作り、特に長期間保存したい場合に便利です。
密閉容器にドッグフードを入れる際は、袋ごと収納できる大きさが必要です。袋ごと入れることで、フードが容器の臭いを吸収しにくくなります。
ニトリの「消臭スリムペダルペール」は袋ごと保管でき、キッチンや部屋の隙間など限られたスペースにも設置しやすいです。
カラー | ブラウン |
サイズ | 幅26.5×奥行き45.5×高さ55.5(cm) |
素材 | ポリプロピレン |
重量 | 約2kg |
10kg以下のドッグフードであれば20Lの容器で十分です。
カラー | ブラウン |
サイズ | 幅20×奥行35.5×高さ45(cm) |
素材 | ポリプロピレン |
重量 | 約1.1kg |
- 蓋で密封できて保存性◎
- 足で楽々ワンプッシュオープン
乾燥剤をいっしょに入れるとさらに保存性が高くなります。こちらのドッグフードストッカーも本格的でおすすめです。
遮光性がある
ドッグフードは光(直射日光)にさらされると、味や香りが損なわれるだけでなく、健康に必要なビタミンなどの栄養素が破壊されます。夏場などで光と高温が組み合わさると酸化が急速に進行し、フードの劣化がさらに早くなります。
具体的なポイント
- 不透明な素材を選ぶ
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不透明なプラスチック、ステンレススチール、または着色ガラス製の容器がおすすめです。光を完全に遮断することで、ドッグフードの酸化を抑えます。
- 厚みのある容器を選ぶ
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容器自体に厚みがあると、光の透過をさらに防ぎます。安価な薄いプラスチック製品は避け、耐久性のあるものを選ぶことが大切です。
- 保管場所が明るい場合の対策
-
室内の明るい場所や直射日光が差し込む場所に容器を置く場合でも、遮光性の高い容器であれば光の影響を軽減できます。
カーテンや遮光フィルムを使って保存場所自体を暗くする方法も併用するとより効果的です。
カインズの「鮮度を保つ密閉米びつ」は、しっかり密閉でき酸化を防ぐパッキンが付いているのでドッグフードを保存するのにも最適な容器です。遮光性があるからドッグフードの劣化も防げます。
12kgタイプの容器でしたらドッグフード5kg程度を入れることができます。
サイズ | 幅21.5×奥行37.5×高さ28.5(cm) |
容量 | 14L(ドッグフード5kg) |
規格 | 米びつの容量:12Kg |
特徴 | ●湿気・酸化を防ぐパッキンが鮮度を保ちます。●計量カップ付。 |
計量カップ容量 | 180ml |
重量 | 700g |
取り扱いのしやすさ
ドッグフード容器は、毎日の食事準備や補充などで頻繁に使うものなので、使いやすさが非常に重要です。扱いにくい容器を選んでしまうと、ドッグフードの取り出しや補充時に手間がかかり、結果的にストレスを感じることになります。
重たい容器やフタの開け閉めが複雑なものは、日常的な使用には向きません。
具体的なポイント
- 軽量な素材
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容器自体が軽量であれば、中身が多くても比較的持ち運びがしやすくなります。軽さと耐久性を両立するプラスチック製が一般的に使いやすいです。
- スコップやカップの付属
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容器に専用のスコップや計量カップが付いていると、必要な量を簡単にすくい取ることができます。スコップが専用の収納スペースに収まるタイプなら、いつでも手元に用意でき、衛生面でも安心です。
- 片手で操作可能なフタ
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ワンタッチで開閉できるフタは、忙しいときや片手がふさがっているときに便利です。フタが自立するタイプなら、フードを補充する際にも邪魔になりません。
- 省スペース設計
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スリムな形状や積み重ね可能なデザインの容器は、収納スペースを有効活用するのに役立ちます。軽量でシンプルなデザインの容器を選ぶと、扱いやすくなります。
アイリスオーヤマの「密閉フードストッカー」は幅が広く、底が浅めの保存容器ですです。袋のままドライフードを入れやすく、取り出しやすくなっています。
付属品としてドッグフードをすくうスコップが付属、ふたの部分の裏に別売のペットフードストッカー用除湿剤 をしまえるカバーがついています。
- 底にたまったフードもすくいやすい。
- バックル止めなので、開閉がしやすい。
- フタの裏のパッキンにより密閉され、湿気を遮断。
【8〜10kg】 【1〜4kg】 | 幅36.5×奥行48.5×高さ45.5(cm) 幅25.0×奥行34.5×高さ31.5(cm) |
スコップサイズ | 1杯約200cc |
材質 | ポリプロピレン、ABS樹脂 |
保存容器の使い方とメンテナンス方法
愛犬の健康を守るためにはドッグフードの保存容器を正しく使い、清潔に保つことが重要です。以下では、容器を使用する際の注意点や長期間清潔に保つための具体的なコツを解説します。
容器を使用する際の注意点
ドッグフードの品質を保つためには、保存容器の使い方にも気を配る必要があります。以下のポイントを押さえておきましょう。
- 直射日光を避ける
-
ドッグフードの鮮度を保つためには、保存容器を直射日光が当たる場所に置かないことが重要です。日光は容器内の温度を上げ、ドッグフードの酸化や劣化を早める原因になります。
涼しく乾燥した場所を選び、風通しの良い場所で保管しましょう。
- 密閉を徹底する
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使用後は必ずフタをしっかり閉じることを習慣に。
空気や湿気が侵入するとフードが劣化するため、フタのゴムパッキンやロック機能が正しく機能していることを確認しましょう。
- 容器の容量に注意
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保存容器の容量に対してフードを詰め込みすぎないようにします。フードが容器のフタ部分に触れると、密閉性がなくなる場合があります。
適切なサイズの容器を選べば、密閉性が保たれ使いやすさも向上します。
- 定期的にフードを使い切る
-
フードを新鮮な状態で保つためには、定期的に使い切ることが大切です。一度に大量に補充するのではなく、必要な分だけを管理しながら使い切ることで、常に新鮮なフードを与えることができます。
フードを使い切るタイミングで清掃するのが理想です。
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容器を長期間清潔に保つ
保存容器を長期間清潔に保つためには、定期的な洗浄と適切な使い方が欠かせません。以下のポイントを押さえて、容器を常に清潔な状態で使用しましょう。
- 容器の定期的な洗浄
-
ドッグフードの油分が容器の内側に付着しやすいため、定期的な洗浄が必要です。
- 洗浄頻度:2〜3回の補充に1回、またはフードを使い切るタイミング。
- 使用する洗剤:食品用の中性洗剤を使用し、油分や汚れをしっかり落とす。
- 洗浄後の乾燥:完全に乾かしてから新しいフードを入れ、湿気やカビの発生を防ぐ。
- ゴムパッキンの点検と交換
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ゴムパッキン部分は劣化しやすいため、ひび割れや硬化がないか定期的に確認します。交換可能なタイプを選ぶと、長期間にわたり密閉性を維持できます。
- 容器を日光や熱から守る
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容器を直射日光や高温になる場所に置くと、ドッグフードだけでなく容器自体の劣化も早くなります。素材によっては、紫外線や熱で内部に匂いがこもる場合があるため、日の当たらない涼しい場所に保管しましょう。
- 専用スコップを使用
-
ドッグフードを取り出す際は清潔なスコップを使用し、汚れの混入を防ぎます。手で直接触れると、汗や皮脂がフードに移り、劣化を早める原因になります。
- 時折容器をリセットする
-
年に数回は容器を完全に空にし、重曹や酢を使った洗浄で匂いや油分をしっかり取り除きましょう。
- 重曹:容器の匂いを吸収する効果があります。
- 酢水:油汚れを分解し、殺菌効果も期待できます。
保存状態が悪いフードを与え続けるリスク
- カビ毒(マイコトキシン)による中毒
- 細菌感染による胃腸障害
- 酸化による有害化学物質の摂取
- 免疫力低下や慢性疾患
- 栄養不足による健康被害
リスク 1
カビ毒(マイコトキシン)による中毒
高温多湿の状態で保存され、劣化したドッグフードはカビが発生しやすくなります。カビの中にはマイコトキシンを生成する種類があり、特にアフラトキシンやオクラトキシンは犬にとって極めて有毒です。
これらの毒素は肝臓や腎臓にダメージを与え、嘔吐、下痢、元気消失、場合によっては急性肝不全や死亡を引き起こす可能性があります。
カビ毒(マイコトキシン)による犬への影響
- 急性中毒症状
-
短期間で多量のマイコトキシンを摂取した場合、急性中毒が発生します。症状は次の通りです
- 嘔吐:胃の不快感を伴う場合が多い。
- 下痢:水っぽく、脱水症状を伴うことがある。
- 食欲不振:突然食べ物を拒否する。
- 元気消失:極度の倦怠感、動かなくなる。
- 黄疸:肝機能障害により、皮膚や目が黄色くなる。
- 痙攣や神経症状:場合によっては中枢神経に影響を及ぼす。
- 慢性中毒症状
-
少量のマイコトキシンを長期間摂取した場合、慢性的な症状が現れます。
- 肝臓の損傷:肝硬変や肝癌のリスクが高くなる。
- 腎不全:オクラトキシンによる腎機能の低下。
- 免疫力が低下:感染症にかかりやすくなる。
- 成長不良:子犬は発育不全を引き起こす。
密閉が不十分だと、外部から湿気が入りやすくなり、カビの繁殖が促進されます。温度が25℃以上、湿度が70%以上でカビがより繁殖します。
- カビの兆候が見られる場合は即廃棄。
- ドッグフードは密閉容器に入れ、冷暗所で保管。
- 色が変わっていたり、異臭がするフードは与えない。
リスク 2
細菌感染による胃腸障害
劣化したドッグフードにはサルモネラ菌や大腸菌などの有害細菌が増殖していることがあります。これらの細菌が犬の体内に入ると、急性胃腸炎を引き起こします。
症状としては下痢、嘔吐、発熱、食欲不振などが見られ、重症の場合は脱水症状や敗血症になる恐れもあります。
犬への影響と症状
- 軽度の症状
-
- 軟便や一時的な下痢。
- 多少の食欲低下や元気のなさ。
- 中等度の症状
-
- 下痢:水様性で悪臭がする場合が多い。
- 嘔吐:繰り返し起こり、食べたものや胃液を吐く。
- 食欲不振:食べ物に興味を示さない。
- 発熱:体温が上昇し、ぐったりする。
- 重症の場合
-
- 脱水症状:水分を失うことで皮膚の弾力性が失われ、口腔内が乾燥。
- 便中の血液:腸壁の損傷により血便が見られる。
- 敗血症:細菌が血流に入り全身へ拡散。ショック状態に陥ることも。
サルモネラ菌や大腸菌は、人間にも感染することがあります。犬が細菌に感染した場合、排泄物や唾液を介して飼い主が感染する可能性があります。
- 清潔な保存容器を使用し、定期的に洗浄する。
- フードの色や匂いが変化している場合は廃棄する。
- 開封後のフードは冷暗所で密閉し、早めに使い切る。
リスク 3
酸化による有害化学物質の摂取
ドッグフードの脂肪成分は、保存期間が長くなると酸化します。酸化した脂肪は過酸化物やアルデヒドといった有害な化学物質を生成し、これらが犬の体内で酸化ストレスを起こします。
その結果、細胞の損傷、慢性炎症、老化の促進、さらには癌のリスクが高くなります。
犬への影響と症状
- すぐに現れる症状
-
劣化したドッグフードを摂取した場合、短い時間内(数時間から数日以内)に犬の体に以下の症状が現れることがあります。
犬が明らかに不快感や体調不良を訴えていることが多く、すぐに対応することが重要です。
- 腹痛:お腹を触られるのを嫌がる、丸くなってじっとしている。
- 嘔吐:複数回繰り返す場合は脱水症状になる。
- 下痢:水分を多く含む便が頻繁に出る。
- 食欲低下:フードを食べようとしない、食べ物への興味を失う。
- 元気の喪失:活動量が減りぐったりする、寝てばかりいる。
- 数年後に現れる症状
-
酸化した脂肪を長期間摂取し続けた場合、犬の体内では有害物質が蓄積し、健康に深刻な影響を与えます。
これらの影響は、時間の経過とともに現れ、治療が難しくなることもあります。
- 細胞損傷:細胞膜やDNAが破壊され、老化が早まる。
- 慢性炎症:関節炎や皮膚炎などの疾患が起こりやすい。
- 癌のリスク:DNA損傷によって腫瘍が発生しやすくなる。
ドッグフードにはオメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸が含まれていますが、これらの不飽和脂肪酸は特に酸化しやすい性質があります。
小袋で購入し短期間で消費することでこれらのリスクが減ります。注文の際はサブスクで定期的に購入し、常に新鮮なフードを与えるのが理想的です。
リスク 4
免疫力低下や慢性疾患
劣化したドッグフードは犬の腸内環境を悪化させ、善玉菌の減少や有害菌の増加、全身の免疫機能に悪影響を与えます。免疫システムは、外部から侵入する病原体(細菌やウイルスなど)や体内で発生する異常(癌細胞など)から体を守る重要な役割があります。
人間と同様に、犬も免疫力が落ちると病気にかかりやすくなり、回復に時間がかかるようになります。
- 体内への影響
-
- 有害菌が腸内で増殖し、下痢や嘔吐が続く。
- 鼻水、咳、呼吸困難といった症状が現れやすい。
- 皮膚バリアが弱くなり、細菌や真菌による湿疹やかゆみが頻発。
- 体外への影響
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- 傷口が化膿しやすく、治癒が遅くなる。
- 皮膚が乾燥しやすく、傷やかゆみが慢性化。
- 栄養不足や慢性的な炎症で、被毛の艶が失われ、抜け毛が増加。
重要なポイントのまとめ
ドッグフード保存容器の重要性
愛犬の健康を守るためには、ドッグフードを適切に保存する必要があります。開封後のフードは酸化が進み、栄養価が低下したり、カビや細菌が繁殖します。
そのため、密閉性が高く遮光性のある保存容器を使用することが重要です。容器の選び方や使い方を工夫することでフードの鮮度を保ち、安全な状態を維持できます。
保存容器の選び方
- 密閉性
- 空気や湿気を遮断するゴムパッキンやクリックロック式の蓋を採用した容器が最適。真空密閉型は特に長期間の保存に有効です。
- 遮光性
- 光を遮る不透明な素材(ステンレスや厚みのあるプラスチック)を使用すると酸化を防止できます。
- 使いやすさ
- 軽量素材、スコップやカップの付属、片手で操作できる蓋など、日常的な扱いやすさが重要です。スリム設計やスタッキング可能な容器は、収納スペースの有効活用に役立ちます。
保存容器の正しい使い方
容器は清潔を保ち、直射日光や湿気を避けた涼しい場所に保管します。また、フードを定期的に使い切り、そのタイミングで容器を洗浄・乾燥させることが必要です。
劣化したフードは愛犬の健康に悪影響が多く、特にカビ毒や酸化した脂肪による中毒症状には注意が必要です。常に新鮮なフードを与える工夫が、愛犬の健康維持に繋がります。