ネット検索してもなかなか探せない ペットの悩みQ&A【DOQAT】

犬の肝臓に良い食べ物と避けたい食べ物 数値が気になるときのドッグフード

この記事でお伝えする内容
  • 肝臓に良い食べ物は存在するのか
  • 肝臓病療養食の種類
  • ドッグフードを選ぶ際の注意点
  • 療法食は獣医師の指導のもとで与える
犬の散歩予報
目次

犬の肝臓に良い食べ物と避けたい食べ物

健康診断で肝臓の数値が高いと言われた飼い主が、まず調べるのが「肝臓に良い食べ物」です。ところが食べれば犬の肝臓が良くなるという食べ物は、獣医学で確認されていません。

分かっているのは何を避けるかと広まっている思い込みのどこが間違っているかです。

肝臓の数値が高いと言われた時点で、食べ物で何とかしようとするのは順番が違います。数値が上がる原因は多岐にわたり、原因によって適した食事は正反対になります。先に必要なのは獣医師の診断です。診断を受けるまでに家庭でできるのは、「避ける」判断だけです。

避けるべきものの中で最もはっきりしているのが、肝臓に直接ダメージを与えることが報告されている物質です。避けるべきなのは肝臓が悪い犬に限らず、すべての犬です。

避けるもの含まれるもの・見つかる場所報告されている内容
キシリトールシュガーレスガム、キャンディ、ピーナッツバター、焼き菓子、歯磨き剤、液体の薬低血糖に加え、量によっては重度の肝不全。肝障害は摂取から24〜48時間後に出ることがある
カビの生えた食品カビの生えた穀物やトウモロコシ、放置したフードアフラトキシンによる用量依存性の肝細胞障害
ソテツ観葉植物として室内・庭にあるもの。種子・葉すべて肝細胞の壊死。数週間後に進行する例もある
アオコの発生した水夏場の池・沼・貯水池摂取から1〜2時間で急性の肝毒性。肝臓の酵素が極端に上昇しうる
有毒なキノコ山や公園に自生するもの(タマゴテングタケなど)肝臓と腎臓の障害。治療しない場合の致死率が高い
Merck獣医マニュアル(Hepatotoxins in Small Animals / Xylitol Toxicosis in Dogs)の記載にもとづく
いちばん身近な危険はキシリトールです

キシリトールは、人間用のガムやピーナッツバターに入っています。テーブルやバッグに置いたままにするのが事故のもとです。食べてしまった場合は症状が出ていなくてもすぐに動物病院へ連絡が必要です。肝臓の障害は1〜2日遅れて出ることがあります。

もうひとつ、肝臓の話で必ず出てくるのが銅です。犬には肝臓に銅がたまってしまう病気があり、銅がたまった犬は銅の多い食べ物を避けることになります。

食品群具体例
内臓肉レバー、腎臓、心臓
貝類・甲殻類牡蠣など
ナッツ類アーモンド、カシューナッツなど
きのこ類しいたけ、まいたけなど
豆類大豆、いんげん豆などのマメ科
穀類小麦、大麦など
ココアチョコレート製品(そもそも犬には与えられません)
濃い緑の葉物野菜ほうれん草、ブロッコリーなど
銅制限食で避ける対象として獣医情報に挙げられている食品群。食材ごとの含有量は、獣医学の一次資料に数値がないため記載していません

レバーは銅が多い食品の代表です。

「レバーは肝臓に良い」という話は、人間の栄養の文脈も混ざって広く信じられています。しかし犬の肝臓病、特に銅がたまるタイプの場合、レバーは避ける側の食品です。良かれと思って与え続けることが、逆に働く可能性があります。

ただし、すべての肝臓病で銅を制限するわけではありません

銅の制限が必要なのは、肝臓に銅がたまっていることが確認された場合です。銅がたまっているかを調べるには肝臓の組織を採って銅の量を測る検査が必要で、血液検査の肝数値だけでは判断できません。銅制限は自己判断で始めるものではありません。

銅がたまりやすい犬種はベドリントンテリア、ダルメシアン、ラブラドールレトリバー、ドーベルマンピンシャー、ウエストハイランドホワイトテリアです。当てはまる犬種で肝臓の数値が高いと言われた場合は、銅の可能性を獣医師に相談する価値があります。

飼い主が「良かれと思って」やってしまう思い込みが3つあります。

よくある思い込み実際はどうか
肝臓が悪いからタンパク質を減らす多くの場合、減らすべきではありません。大半の肝疾患では診断の初期にタンパク質を制限しません。必要のないタンパク制限は栄養不足を招きます
肝臓が悪いから低脂肪にする大半の肝胆道疾患で脂肪制限は不要です。制限の対象になるのは、胆管が詰まっている場合や、胆嚢粘液嚢腫、脂質の代謝異常がある場合などに限られます
サプリメントで肝臓が良くなるSAMe、マリアアザミ(シリマリン)、ビタミンEなどは実際に使われていますが、犬での有効性を示す質の高い臨床試験は乏しいのが現状です。使う場合も獣医師の指示のもとで

とくにタンパク質については、病態によって推奨が正反対になります。肝性脳症の症状が出ている場合や、門脈体循環シャントがある場合は制限しますが、肝性脳症もシャントもない慢性の肝疾患では制限しません。同じ「肝臓が悪い」でも中身が違えば逆の対応になることが、飼い主が自己判断してはいけない最大の理由です。

手作りごはんにも注意が必要です。書籍やインターネットで見つかるレシピの多くは栄養的に不十分です。ある調査では、200のレシピのうち最低限の栄養要求を満たしていたのは9件だけでした。実際に、バランスの崩れた手作り食を与えられていた肝疾患の犬で、ビタミンEと亜鉛が不足していた症例も報告されています。

手作り食そのものが否定されているわけではありません。ただし獣医栄養学を専門とする獣医師にレシピを作ってもらうことが前提です。

病態を問わず勧められていることが、1つあります。少量を、回数を分けて与えることです。1日分を2回で与えていたなら、3〜4回に分ける。回数を分けるのは低血糖を防ぎ、体が自分のタンパク質を分解してエネルギーにするのを減らすためです。フードの種類を変えずに、今日から試せる数少ないことです。

肝臓の食事で確実なこと

肝臓に良い食べ物は確認できません。確実なのはキシリトールなど肝臓に毒性のあるものを避けること、そしてタンパク質や脂肪を自己判断で減らさないことです。何を食べさせるかは、原因が分かってから獣医師と決めることです。

肝臓病療養食の種類

  • ヒルズ l/d 肝臓ケア
  • ロイヤルカナン 肝臓サポート
  • Dr.宿南のキセキのごはん 肝臓の健康サポート
  • 和漢みらいのドッグフード 特別療法食KA(肝臓)
  • Vet Solution ドッグフード 肝臓サポート
  • HAPPY DOG VETヘパティック
  • メディムース 犬用 肝臓サポート
  • ナチュラルハーベスト レバエイドプラス(ふりかけタイプ)

どのフードが愛犬に合うか迷う場合は、診断ツールで調べられます。

診断ツールは獣医師の処方に代わるものではありません

肝臓の数値が高くなる原因は複数あり、原因によって適した食事は正反対になります。診断ツールが聞いているのは形状や価格、生産国といった与えるうえでの条件であって、病気の中身ではありません。候補を絞って獣医師に相談するための整理に使うものです。療法食は獣医師の指導のもとで与えるものです。

愛犬の肝臓用フード診断

愛犬の肝臓用フード診断

10の質問に答えると、愛犬に合ったフードの方向性が分かります。

診断結果

スクロールできます
製品名どんなフードか(目的・特徴の要約)
ヒルズ l/d 肝臓ケア肝疾患全般に対応。銅を抑え、消化の良いタンパク質と高エネルギー。米国獣医師に最も処方されている定番。
ロイヤルカナン 肝臓サポート銅の制限・脂質制限が特徴。味と香りで食いつきを重視し、嗜好性が高い。欧州獣医が処方する定番品。
Dr.宿南のキセキのごはん 肝臓の健康サポート獣医師監修。鹿肉ベースでタンパク質量を調整。なお公式サイトに銅に関する記載はありません。
和漢みらいのドッグフード 特別療法食KA(肝臓)薬膳思想を取り入れた国産自然派療法食。肝臓ケアに加え免疫・排毒も意識。高齢犬向き。
Vet Solution 肝臓サポート植物性たんぱく中心・銅制限あり・高カロリー。イタリアMonge社製。グレインフリー設計。
HAPPY DOG VET ヘパティック低脂肪・低銅・高消化性。独自のハーブ(ミルクシスル)を配合。ドイツ製の自然派寄り。
メディムース 肝臓サポートウェットムースタイプ。食欲低下時でも食べやすい。肝臓ケア成分(BCAAやシリマリン)配合。
ナチュラルハーベスト レバエイドプラスパウダータイプの栄養補助食。肝機能支援用。いつものフードにトッピングして使う。

世界的に信頼されている療法食 ヒルズ l/d 肝臓ケア

ヒルズの l/d 肝臓ケアは、犬の肝臓病管理を目的として、ヒルズの栄養学者と獣医師によって開発された特別療法食です。

低銅設計(銅 約77%減 )

肝臓に病気がある犬の中には、体内から銅をうまく排出できず、肝臓に過剰な銅がたまってしまう体質の子がいます。

銅が肝細胞の中に蓄積すると、活性酸素を発生させて肝細胞を壊し、慢性的な炎症や組織の硬化(線維化)を引き起こします。

ヒルズ l/d 肝臓ケアは、同社のサイエンス・ダイエット ペット エッセンシャル マルチケア 中型犬用 成犬用(1〜6歳)中粒と比べて銅を約77%減らしているため、毎日の食事から摂取する銅を抑えることができます。

食事からの銅を抑えることで、肝臓に銅がたまるのを防ぐ設計です。

高消化性炭水化物と制限された高品質たんぱく質。

肝臓病になると肝臓の働きが落ち、代謝の途中で「アンモニア」などの有害な物質が体に残ってしまいます。

アンモニアが脳に悪影響を与えると、ふらつきや意識の混乱などの神経症状(肝性脳症)が出ることがあります。

ヒルズ l/d 肝臓ケアはたんぱく質の量をあえて抑え、しかも質の高いたんぱく質(吸収が良く、不要な副産物を出しにくいもの)を使っています。量を抑えて質を高めることで、肝臓への代謝の負担を減らしつつ、筋肉を保ち、アンモニアの発生を最小限に抑えることができます。

L-カルニチン、抗酸化成分配合

肝疾患のある犬は脂質の代謝がうまくいかず、肝臓に脂肪がたまりやすくなります(脂肪肝)。脂肪肝が進行すると、肝細胞の機能がさらに落ちるという悪循環に陥ります。

L-カルニチンは、体内で脂肪をエネルギーに変える過程に関わる成分として知られています。ヒルズ l/d 肝臓ケアは脂肪をエネルギーに変える働きに着目してL-カルニチンを配合しています。

高エネルギーで消化性の良い ロイヤルカナン 肝臓サポート

ロイヤルカナンの肝臓サポートは、犬の肝臓病の管理を目的として、獣医師の指導のもとで給与される特別療法食です。肝臓に負担をかけずに必要な栄養素を供給できるよう、栄養バランスが調整されています。

低銅・高亜鉛配合

ロイヤルカナン 肝臓サポートは銅の量を抑えながら、亜鉛を多めに配合しています。

亜鉛は、腸で銅が吸収されるのを妨げる働きが知られている成分です。銅の制限が必要な場合に、低銅と高亜鉛の組み合わせが選ばれることがあります。なおロイヤルカナンは銅の含有量を数値では公表しておらず、「銅含有量を制限」という表記にとどめています。

中鎖脂肪酸(MCT)含有

中鎖脂肪酸は、通常の脂肪よりも分解が早く、肝臓を通さずに直接エネルギーとして使われる特徴があります。肝臓の働きが落ちている犬では、脂肪の消化や代謝がうまくいかず、食事から十分なエネルギーを得られないことがあります。

フードに中鎖脂肪酸が含まれていることで、肝臓に負担をかけずに、効率よくエネルギーを補給できるようになります。体力が落ちている犬や、胆汁の流れが悪い犬にとっては、大きなメリットになります。

高エネルギー密度

肝臓病の犬は、食欲が落ちやすく、必要な栄養を十分に摂取できないことがよくあります。

ロイヤルカナン 肝臓サポートは、少量で多くのカロリーが摂れるように作られています。

食べる量が少なくても必要なカロリーを確保しやすく、体重の維持や筋肉の減少予防に役立ちます。

Dr.宿南のキセキのごはん 肝臓の健康サポート

Dr.宿南のキセキのごはん 肝臓の健康サポートは、獣医師である宿南章先生が開発した犬用の療法食です。肝臓の健康を維持し、肝機能が低下した犬の食事管理を目的として作られています。

国産無添加

人工の保存料や香料、着色料などの添加物を使っていないため、添加物を肝臓で分解・解毒する必要がなくなります。

人工の保存料や香料、着色料を使っていないことを特徴としています。ただし、無添加であることと肝臓の数値が改善することは別の話です。

 白身魚や雑穀使用で肝臓に低負担

白身魚は脂質が少なく、消化吸収が非常に良いたんぱく源です。雑穀は血糖値を緩やかに上昇させ、消化器に優しい炭水化物です。

いずれも消化性を重視した原材料として選ばれています。

肝性脳症がある場合は乳製品や植物性のタンパク源が肉より望ましいタンパク源です。ただしどのタンパク源が適するかは病態によって変わり、自己判断で切り替えるものではありません。

療法食というより自然食に近い

一般的な療法食は栄養成分を人工的に調整した“薬膳的”な位置づけですが、キセキのごはんは自然素材を使う方向に重点を置いています。

栄養の数値よりも原材料の内容が特徴です。また、人工的な味付けがされていない分、味覚が敏感になった肝疾患の犬にも受け入れやすいという傾向があります。

和漢みらいのドッグフード 特別療法食KA(肝臓)

和漢みらいのドッグフード 特別療法食KA(肝臓)は、東洋医学(和漢)の考え方を取り入れて開発された、犬の肝臓病管理を目的とした療法食です。

一般的な療法食が栄養学的なアプローチに特化しているのに対し、特別療法食KA(肝臓)は和漢植物の配合によって肝臓の働きをサポートすることを特徴としています。

自然原料と機能性素材が多数

使用されている素材は、ウコン、シジミ粉末、キノコ類(霊芝・アガリクスなど)といった、古来から肝臓を助けるとされてきた天然由来のものばかりです。

ウコン、シジミ粉末、キノコ類には抗酸化作用や胆汁分泌の促進、免疫調整作用があります。肝細胞がダメージを受けにくくなり、肝炎や脂肪肝の進行を穏やかにする方向へ働きます。

低タンパク・低脂肪設計

みらいのドッグフードは、即効性を持って症状を抑えるのではなく、時間をかけて犬の体質そのものを変えることを目的としています。
たとえば、肝酵素の数値が高くなりやすい体質の犬や、季節やストレスで体調が大きく崩れる傾向のある犬に対して、肝臓の調子が乱れにくい体内環境をつくります。

療法食より補完的な役割

和漢みらい 肝臓用は、ヒルズやロイヤルカナンのように、栄養組成を厳密に管理して病状をコントロールする療法食とは異なります。

たとえば、すでに療法食を食べている犬に対して、「療法食+和漢みらい」を併用することで、炎症を抑える働き、肝細胞を修復する力、代謝効率の改善といった追加効果が期待されます。

イタリア製の療法食 Vet Solution ドッグフード 肝臓サポート

Vet Solution 肝臓サポートはイタリアの老舗ペットフードメーカー Monge(モンジ)が開発した、肝疾患を抱える犬のための食事療法食(療法用ドッグフード)です。日本ではジャパンペットコミュニケーションズが正規輸入販売を行っています。

Vet Solution 肝臓サポートは肝機能が低下した犬に対して、肝臓への負担を極力抑えながら、必要な栄養素とエネルギーを効率よく補給できるよう設計されています。

消化性が高く、便の状態も安定しやすい

Vet Solution 肝臓サポートは消化吸収に優れた原料を使用しており、食べたものがしっかり栄養として吸収され、不要物が腸に残りにくくなります。

不要物が残りにくいと便の状態が安定し、腸内ガスの抑制、体力の回復、内臓全体の負担軽減につながります。

SOD酵素・XOS配合

SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)は、体内で発生する活性酸素を分解する酵素です。肝臓に負担がかかる状態が続くと、活性酸素が過剰に発生し、肝細胞の炎症や破壊が進行します。SODを摂取することで、酸化による細胞ダメージを抑え、肝細胞の寿命を延ばす効果が期待されます。

XOS(キシロオリゴ糖)は、腸内の善玉菌を増やす働きのあるプレバイオティクスです。腸内環境が整うことで、腸から肝臓に流れ込む有害物質(アンモニアなど)が減り、肝臓の解毒負担を軽くすることができます。

安心のイタリア製

Vet SolutionはEUの厳格なペットフード安全基準が適用されています。EU基準の適用によって品質のばらつきや有害成分の混入リスクが低く、安心して継続的に与えられます。

品質が安定していることで、肝疾患を抱える犬の体調が急変しにくく、治療効果のブレを防ぐ効果も期待されます。

マリアアザミで肝臓をサポート HAPPY DOG VETヘパティック

HAPPY DOG VETヘパティックは、ドイツ製の犬用療法食です。肝臓に問題を抱える犬のために、ドイツの獣医師が監修・開発しました。

マリアアザミなどの肝保護ハーブ使用

マリアアザミ(ミルクシスル)は、シリマリンという有効成分を含み、肝細胞の保護と修復を助ける働きがあります。シリマリンには抗酸化作用・抗炎症作用・細胞膜の安定化作用があり、肝臓に加わる慢性的なダメージを軽減し、肝細胞の再生を促進します。

他のハーブ(たとえばアーティチョークやタンポポなど)も胆汁の流れを促進する作用があり、胆汁うっ滞による肝臓の負担軽減にも寄与します。

穀物不使用(グレインフリー)

小麦・トウモロコシ・米などの穀物を使用していないため、穀物に含まれるグルテンや難消化性のデンプンによる腸内炎症やアレルギー反応が起こりにくくなります。

穀物を使わないことで腸肝連関に関わる腸内環境の悪化が防がれ、肝臓に届く有害物質の量が減少します。

肝疾患だけでなく胆道系にも配慮

肝臓だけでなく、胆のうや胆管など「胆道系」の機能にも着目して設計されています。胆道の流れが悪いと、胆汁が肝臓内に滞留し、肝細胞が傷つきやすくなります。

HAPPY DOG VETは肝機能と胆汁分泌の両方を助ける成分を含むことで、胆汁のうっ滞による肝障害を予防・緩和します。

食欲が落ちた犬に メディムース 犬用 肝臓サポート

メディムース 犬用 肝臓サポートは、肝臓の健康維持を目的として作られた、ゼリー状の犬用総合栄養食です。療法食(特別療法食)ではなく、一般的な食事として与えることができますが、肝臓に配慮した栄養設計がされています。

食べやすいウェットタイプ

ウェットタイプのフードは水分含有量が多いため、水分摂取量が少ない犬や、腎臓や肝臓に不調がある犬の脱水予防に役立ちます。

また、においや味が立ちやすく、食欲が落ちている犬でも嗅覚や味覚を刺激しやすいため、「食べるきっかけ」を与えやすいという利点があります。

咀嚼力が弱った高齢犬や病中・病後の犬でも飲み込みやすく、食事へのストレスを減らす効果も期待できます。

食欲低下時やシリンジ給餌に便利

体調が悪くて自力で食事ができない犬には、シリンジ(注入器)で給餌する必要があります。ウェットタイプでなめらかな質感のメディムースは、液体に近い状態での給餌が可能なため、無理なく投与できます。

また、食欲が戻るまでの「つなぎ」として使用することで、肝疾患の犬に必要な栄養を欠かさず補い、体力の低下を防ぐ効果があります。

最低限のタンパク質

たんぱく質を制限することで、代謝の際に発生するアンモニアなどの老廃物が減少し、肝性脳症のリスクを下げることができます。

たんぱく質の質と量が適正にコントロールされているため、筋肉量の維持に必要な最低限の栄養は確保されます。

補助食に ナチュラルハーベスト レバエイドプラス

ナチュラルハーベストのレバエイドプラスは、肝臓の健康をサポートするために高度な臨床栄養学に基づいて開発された、パウダータイプの総合栄養食です。

療法食と異なり、獣医師の処方箋は必須ではありませんが、肝機能の数値が気になる犬や、肝臓病の管理食として獣医師の指導のもとで与えられることが多い製品です。

ふりかけ型サプリメント食品

主食のフードに直接振りかけて使用するため、肝機能ケアが必要な犬に対して、既存の食事内容を変えずに肝臓サポート成分を追加することができます。

食事を変えることに強い拒否反応を示す犬や、療法食の味に飽きてしまった犬にも対応しやすく、食事へのストレスを減らしながら継続的な肝ケアができます。

ミルクシスル、タウリンを含有

ミルクシスルに含まれるシリマリンには、肝細胞を保護し、再生を促す作用があります。活性酸素の除去や炎症の抑制、細胞膜の安定化を通じて、慢性的な肝炎や脂肪肝などの進行を緩やかにする働きが期待されます。

タウリンは胆汁の流れを助ける成分であり、胆汁うっ滞や胆泥症のリスクを軽減しながら、脂肪代謝の改善にも寄与します。また、肝性脳症の原因となるアンモニアの解毒にも関与しています。

療法食との併用が基本

レバエイドプラスは単独では栄養のバランスを満たさないため、必ず通常の総合栄養食または療法食と併用することが前提です。

肝臓のダメージが中等度以上に進行している犬では、主治療となる療法食の効果を妨げず、むしろ相乗的に補助する設計となっています。

肝臓病のドッグフードを選ぶ際の注意点

肝臓病の犬に与えるドッグフードを選ぶ際は、単に「肝臓サポート」と書かれている製品を選べば良いという話ではありません。肝臓という臓器は、代謝・解毒・栄養合成など体の中心的な機能があり、障害の種類や進行度によって必要な栄養管理は大きく異なります。

「療法食」であることが基本

肝臓病と一口に言っても、軽度のALT/AST上昇から、門脈体循環シャント、肝性脳症、銅蓄積性肝炎など種類が多岐にわたります。病気ごとに必要な栄養戦略が異なるため、自己判断ではなく獣医師の判断のもとで選ぶのが原則です。

具体例
  • 門脈シャント→タンパク質制限が必要(特に動物性タンパク)
  • 銅蓄積性肝炎→銅含有量の少ないフードを選ぶ
  • 慢性肝炎→抗酸化栄養素やBCAAが有用

タンパク質は「量より質」で考える

昔は「肝臓病=低タンパク」が常識でしたが、近年は不必要に制限しすぎると筋肉量の低下や免疫低下を招くと分かっています。重要なのは「アンモニアなどの有害代謝物が出にくい、高品質なタンパク質を適量摂る」ことです。

注意点
  • 植物性タンパク(豆など)→代謝産物が少なく肝臓に優しい
  • 動物性タンパクでもBCAA多め→筋肉維持・脳保護に有効

両方バランスよく摂る。

銅の含有量を確認すること

遺伝的に銅を蓄積しやすい犬種(ベドリントン・テリア、ドーベルマンなど)では、肝臓に銅が蓄積して炎症を引き起こすケースがあります。銅制限されたフードでなければ、病気を悪化させてしまうリスクがあります。

判断方法
  • パッケージに「低銅」「銅制限」と明記されているか確認
  • 成分表に「銅:4mg/kg以下」など記載がある製品が望ましい

脂肪の量と質にも注意

脂肪はカロリー源としては重要ですが、肝臓での代謝負担も大きいため、病状によっては脂肪制限が必要になります。ただし、オメガ3脂肪酸(EPA/DHA)は抗炎症効果や肝細胞保護の観点からむしろプラスです。

見るべきポイント
  • 「低脂肪フード」かどうか
  • オメガ3系脂肪酸(魚油や亜麻仁油)が使われているか

カロリー密度が高いかどうか

肝臓病の犬は食欲不振になりやすく、痩せやすいため、少量でしっかり栄養とエネルギーが取れるよう「高カロリー設計」であることが重要です。

チェックポイント
  • 製品の「代謝エネルギー(kcal/100g)」を確認
  • 通常は400kcal/100g以上が高カロリータイプ

抗酸化物質や肝細胞サポート成分の有無

肝臓は酸化ストレスに弱く、慢性炎症や線維化の進行に関わります。ビタミンE、C、タウリン、シリマリン(ミルクシスル)などの抗酸化物質や保護因子が含まれていると、肝機能の維持に寄与します。

有効成分
  • ビタミンE、C(抗酸化)
  • タウリン(肝細胞の保護)
  • シリマリン(解毒作用)
  • L-カルニチン(脂肪代謝補助)

グレインフリーかどうかは補助的な観点でOK

よく「グレインフリーだから良い」と誤解されますが、穀物の有無は肝疾患に直接は関係ありません。ただし、消化性が良く、腸内環境を整える点では一定のメリットがあるため、グレインフリーにこだわるのは“嗜好と消化性のバランス”と考えれば十分です。

「療法食」と書いてあれば療法食とはかぎらない

肝臓用として売られている8つのフードのうち、「肝臓サポート」と名前についていても、療法食ではない商品が混ざっています。

日本では「療法食」という表示にルールがあります。ペットフード公正取引協議会の定義で療法食とは獣医療において獣医師の指導のもとで食事管理に使用されることを意図したもので、療法食と表示するには商品名・対象となる疾病・根拠データの所在を協議会に届け出る必要があります。獣医師の指導に基づく旨の注意書きも義務づけられています。

つまり「療法食」は、メーカーが自由に名乗れる言葉ではありません。見るのは各社が公式サイトで自分の商品をどう表記しているかです。

商品公式サイトでの区分の表記銅の数値獣医師の指導
ヒルズ l/d 肝臓ケア特別療法食3.2 ppm(公表)「獣医師の指導のもとに給与してください」
ロイヤルカナン 肝臓サポート食事療法食非公表(「制限」とのみ)「獣医師の診断・指導のもとご使用ください」
HAPPY DOG VET ヘパティック食事療法食3.5 mg/kg(公表)「獣医師の診察と指導のもとにご使用ください」
VetSolution 肝臓サポート食事療法食4 mg/kg(公表)適応と禁忌を明記。動物病院で流通
和漢みらい 特別療法食「特別療法食」という独自の表記非公表注意書きの括弧内に1か所
Dr.宿南のキセキのごはん自社サイトで「食事療法食」と表記銅への言及なし記載なし
メディムース 肝臓サポート機能性栄養補助食(一般食)非公表記載なし
ナチュラルハーベスト レバエイドプラス総合栄養食非公表記載なし
各メーカーの公式サイトの記載を2026年9月時点で確認。銅の単位は各社の表記のまま
メディムースとレバエイドプラスは療法食ではありません

メディムースは公式に「機能性栄養補助食(一般食)」、レバエイドプラスは公式に「総合栄養食」と表記されています。どちらも商品名に「肝臓サポート」「レバ」とついていますが、療法食として届け出られたものではありません。日常の栄養補助として使うものと、獣医師の管理下で食事療法に使うものは、役割が違います。

もうひとつ、肝臓用フードとして見逃せないのが銅の数値です。肝臓に銅がたまるタイプの病気では、フードの銅をどこまで抑えられているかが要になります。ところが数値を公表しているのは、ヒルズ・HAPPY DOG VET・VetSolutionの3社だけです。

ロイヤルカナンの公式サイトの表記は「銅含有量を制限し」で、数値がありません。和漢みらいは原材料欄に「ミネラル類(亜鉛、銅)」と銅を添加している記載はあるものの、含有量は公表していません。Dr.宿南のキセキのごはんに至っては、公式サイトに銅への言及そのものがありません。

獣医師に相談するときに持っていく数字

銅の制限が必要だと言われた場合、フードの銅の数値が分からなければ比較のしようがありません。数値を公表している商品のほうが、獣医師と相談しやすくなります。逆に、非公表の商品を勧められたときは、販売元に問い合わせて数値を確認してから決めるのが安全です。

和漢みらいには、もう1点あります。公式サイトに「断りなく原材料を変更する場合があります」「あえて原材料配合比率に変化をつける」の2つの表記があります。栄養の組成が一定であることを前提とする食事療法食とは考え方が異なる運用です。良い悪いではなく、原材料が変わる設計の商品だと知ったうえで選ぶ必要があります。

ナチュラルハーベスト レバエイドプラスは、2022年11月にリニューアル発売の告知が出ていますが、現在はメーカー公式サイトの製品一覧にも、同社の直販サイトにも掲載がありません。終売の告知は出ていないものの、現行品かどうか分かりません。購入するなら在庫と取り扱いの有無を先に確かめる必要があります。

同じ棚に並んでいるように見えても、中身の担保はまるで違います。見るのは名前ではなく、公式サイトの区分表記と銅の数値です。最終的に決めるのは獣医師に相談してからです。

療法食は獣医師の指導のもとで与える

療法食(食事療法食)は、基本的に獣医師の指導のもとで与えるものです。獣医師の指導が必要なのは建前ではなく、医学的・栄養学的に重要な理由があるからです。

療法食は「薬に準ずる」扱い

療法食は、健康な犬にとって必ずしも最適ではない特殊な栄養バランスで作られています。例えば、肝臓病用の療法食は

  • タンパク質を制限してある
  • 銅の量を極端に減らしてある
  • 高カロリーで代謝性に偏りがある

タンパク質と銅の制限や高カロリー設計は、病気を抱える犬にとっては治療の一環になりますが、健康な犬に与えると逆に栄養バランスが崩れることもあります。

したがって、薬ではないが、食事であっても「治療の一部」である以上、診断・選定・投与量の判断が医療行為の範囲に近いのです。

肝臓病の種類によって、フードの選び方も異なる

肝臓病にはさまざまな原因と段階があります。

  • 門脈シャント
  • 銅蓄積性肝炎
  • 慢性肝炎
  • 肝硬変
  • 肝性脳症

門脈シャントから肝性脳症まで、病気ごとに療法食に求められる栄養設計が異なります。

例えば

  • 門脈シャントならたんぱく質の質と量の制限が必要
  • 銅蓄積性肝炎なら銅の極端な制限が重要
  • 食欲不振がある場合は高カロリー+嗜好性重視

「肝臓病だから肝臓用のフードでOK」という単純な話ではなく、病態に応じた療法食の処方が必要なのです。病態に応じた処方は飼い主の知識だけでは判断できません。

療法食にも副作用的なリスクはある

極端な栄養制限は、思わぬ副作用を生むこともあります。

  • 長期間の低タンパク食 → 筋肉量の低下、免疫力低下
  • 高脂肪設計 → 膵炎リスク
  • 食欲不振時の食べさせ方を誤る → 栄養失調

栄養制限の副作用は獣医師でなければコントロールが難しい領域です。

療法食は、「良いフード」ではなく、「診断と目的に応じた栄養療法」です。だから獣医師による診断・処方・モニタリングとセットで用いるべきものです。

逆に言えば、獣医師の診断があってこそ、療法食は正しく効きます。療法食だけで肝臓病を「治す」のではなく、あくまで支える・補うものなのです。

心臓に疾患がある場合、食事で気をつける点は肝臓とは別のものになります。

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