大型犬を飼う上で健康管理、特に胃捻転・胃拡張の対策は重要です。
犬の胃捻転・胃拡張は突然発症し、発症したらすぐに病院で手術をしなければ命を落としてしまいます。
他の病気であれば1~2日の経過観察が可能ですが、胃捻転・胃拡張は「具合が悪そうだけどちょっと様子を見てから」と後回しにすることはできません。
飼い主さんが寝てる深夜に起こるかもしれませんし、留守中に起こるかもしれません。
大型犬は普段の生活のなかで、いつ胃捻転・胃拡張が起こってもおかしくないリスクを背負っています。
万が一にも胃捻転になったらどう行動すべきなのかを決めておく必要があります。
胃捻転の予防 犬の食事の時に気を付けること
胃捻転・胃拡張の予防でゴハンは手作りが良いのか、ドライフードが良いのかという食事のタイプよりも与える方法とタイミングが重要です。
与える方法として、1回にたくさんのゴハンを食べさせるのではなく一日のうちに2~3回に分ける。
通常、食べたものは胃から十二指腸へスムーズに流れていきますが、何らかの障害が起こると胃が大きく膨れて近くの脾臓や血管を巻き込むようにねじれます。
ねじれた胃の入り口と出口はふさがれ、次第にガスが発生して胃がパンパンに大きくなります。
犬のお腹を見ると異常に大きく膨れているので、多くの飼い主さんはこの時点で胃捻転に気が付きます。
かかりつけの獣医師さんによると胃捻転で病院にやってくる多くの犬は
- 一度にたくさんのゴハンを食べている
- 老犬になるほど胃がねじれやすい
とのことです。
ゴハンと同様に水を一気に大量に与えると胃捻転を発症しやすくなります。
あるゴールデンレトリーバーが積もった雪をバクバク食べて胃捻転を発症し、胃の中から3リットルもの水が出てきたという事例を目にしたことがあります。
参考記事:むかい猫と犬の病院
胃捻転の予防 たんぱく質をメインに与えて穀類は少量
ドライフードを選ぶ時は原材料に小麦やトウモロコシなどの穀類を不使用、あるいは少量の物を選びましょう。
シニア犬用のフードは穀類がメインの物があるので要注意です。
穀類は犬の胃の中でガスを発生させるので、胃捻転の原因になりやすい食材です。
また、早食いも胃捻転を引き起こす可能が高いので犬がゆっくり食べられるように食器の工夫をしてあげるのも重要です。
ゆっくり食べることで胃捻転・胃拡張を予防し、胃腸への負担やのどづまりなどの早食いによるトラブルを防止します。
胃捻転の予防 散歩や運動のタイミング
食後すぐに運動や散歩は胃捻転・胃拡張が起こるリスクを高めます。
犬の胃を支える靭帯は老犬になるほど弱くなるからです。
食後は一緒に遊んだりしないで、ゆっくり胃を休ませます。
食べたゴハンが胃から小腸に送られるのにおよそ1時間。
散歩や運動をするなら1時間後に行うのが目安です。
深夜の急患に対応してもらえる病院を調べておく
多くの病院は深夜に治療することに対応してはいません。
深夜に対応していてる病院でも、獣医師さんの方が深夜対応をホームページ等で告知していないケースもあるので、飼い主さんのほうからお聞きしてみましょう。
- 支払いは現金のみか?カードの支払いも可能か?
- 深夜に治療を受け付けてもらえる病院の電話番号
- 定休日でも対応してるのか?
- 胃捻転・胃拡張の治療費
- 割り増し料金のおおよその目安
胃捻転・胃拡張は突然起こります。
深夜に起こるケースが多く、「こんな時間でも診てもらえるのだろうか・・・?」
と迷っているうちに胃捻転の症状は分秒の間隔で進行します。
あらゆる可能性を考えて、自宅からできるだけ近いセカンドオピニオン準備をしておきましょう。